《ジョーカー》
《監督》トッド・フィリップス
《あらすじ》「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸にコメディアンを夢見る、孤独だが心優しいアーサー。都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしながら母を助け、同じアパートに住むソフィーに秘かな好意を抱いている。笑いのある人生は素晴らしいと信じ、ドン底から抜け出そうともがくアーサーはなぜ、狂気溢れる<悪のカリスマ>ジョーカーに変貌したのか?
DCコミックスのヒーロー"バットマン"の敵役、"ジョーカー"を主役としたスピンオフ作品。
今年最も重要な作品である事は言うまでもなく、その本質は「タクシードライバー」などと似通ったものを感じられるが、更に繊細な生き辛さを描写しているようにも感じられる!
特に精神を犯されたものに対しての世間の目の厳しさと言うものを、如実に表している…「他人に優しく」「笑う角には福来たり」など、これだけ世に蔓延る綺麗事が私たちの間で浸透しないのは何故か…それは人間の本質が悪であるからだ。
大まかなところで言えば、この作品は、私たちに再度そのことを確認させてくれる他に、現代社会において私たちが気づかないうちにジョークとしているものの実態を、私たちに突きつけるような性質も持っている!
これ以上を言葉にしてしまうと嘘臭くなってしまう!
ただ観て欲しい!
世の中に生き辛さを感じる人間にとって、この作品はナイフ以上に鋭利な凶器となり得るのだから…!
満足度は100点!